誰にでも有り得る!自覚症状がなく突然抜ける全頭脱毛症とは?
全頭脱毛症は、髪の毛がほとんど抜けてしまうという病気なのですが、なぜそのようなことが起きてしまうのでしょうか。
その原因は、私たちの体にとって必要不可欠な「免疫」の機能の異常が発生していると言われています。 ここでは、全頭脱毛症とはどのような病気なのか、多くの人が抱く疑問について、正しい情報をお伝えしていきます。
この記事の目次
全頭脱毛症は円形脱毛症の一種?
「円形脱毛症」という病名を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。「円形脱毛症」はもともと生えていた毛が円形に抜けてしまう症状を言いますが、日本皮膚科学会は、抜け方のパターンによって次の4つに分類しています。
通常型円形脱毛症
髪の毛が部分的に円形に抜けた状態
・単発型:脱毛部が1つのもの
・多発型:脱毛部が複数あるもの
全頭脱毛症
脱毛部が頭全体に広がった状態
汎発性脱毛症
脱毛部が頭だけでなく全身に広がった状態
蛇行状脱毛症
髪の生え際が帯状に抜けた状態
上記の4種類のうち、「全頭脱毛症」とはこの分類の2番目に示されているもので、円形脱毛症が重症化して頭部全体に拡大した状態を言います。
一般的に前兆がないのが全頭脱毛症の恐怖
全頭脱毛症は、人によっては脱毛の前兆として、軽いかゆみや違和感などを感じることがあるようです。しかし一般的には自覚症状がなく、突然髪の毛が抜け始めます。
また、アトピーにも関係があると言われており、円形脱毛症になった人の内、実に4割以上がアトピー要因を持っているといわれているのです。
血縁関係のある家族などにアトピー性皮膚炎の人がいるのであれば、脱毛症の可能性は大幅に上昇します。
実際にアトピー性皮膚炎と円形脱毛症が併発する場合もあり、この場合はアトピー性脱毛症と言われています。
ストレスをなくせば脱毛症から脱却できる!?
肉体的、精神的にストレスがかかると副腎皮質というホルモンが分泌されます。
副腎皮質ホルモンとは、腎臓近くの副臓という臓器の外側の皮質で作られています。副腎皮質ホルモンには抗炎症作用や免疫抑制作用の他に抗ストレス作用があります。
ストレスを受けたときに副腎皮質ホルモンが分泌され、ストレスがなくなれば副腎皮質ホルモンの分泌が止まります。
ですが、常にストレスを感じる状態では副腎皮質ホルモンの分泌が止まらないことになります。そうなると常に副腎が稼動している状態になり、疲労から副腎皮質ホルモンの分泌がされなくなります。副腎皮質ホルモンの免疫抑制作用を抑える効果がなくなることで、免疫力が異常行動を起こすものと考えられています。
ただし、これも一説に過ぎず、免疫異常が起こる明確な原因は解明されていないのが現状です。
ストレスの少ない環境で生活することはどの生活に対しても大事だと言われています。
必ず治る治療法はあるの?
一度全頭脱毛症になってしまうと治療が難しいのは事実ですが、一方で全頭脱毛症といえども円形脱毛症の延長線上にあると考えれば、あきらめてしまうのは早いです。
早期の治療開始が重要
まず、円形脱毛症を発見した際にはできるかぎり早く治療を開始することが重要です。
放置してそのまま治癒することはありますが、そのまま全頭脱毛へと進行してしまう可能性もあります。
大学病院では皮膚病の一種として脱毛専門外来も
脱毛症になった場合、まずはどこに相談すれば良いのでしょうか。専門のクリニックもありますが、皮膚病の一環として順天堂大学などの大学病院でも脱毛専門外来を設置しているところもあります。
ガイドラインで適正な治療法を探す
日本皮膚科学会では円形脱毛症診療ガイドラインを作成してます。そこで各治療法についてランク付けがなされており、このランク付けから代表的な治療法としてはステロイド関係及び局所免疫療法だと言えるでしょう。
まとめ
全頭脱毛症に関して、特に治りにくい病気の一つとして認定されている為、これをやれば必ず治る、といった治療法はみつかっていないのが現状です。
しかしあきらめるのではなく、自分の身体にあった治療法を、時間をかけてみつけていくことが大事です。治療方によっては、身体に大きなダメージを与えるものもあることから、治療に当たっては必ず医師などの専門家に相談の上、意見を聞くようにしましょう。