パンチグラフト法での植毛はおすすめしません、優れた「FUE法」を採用すべき
自毛植毛の方法を調べると「パンチグラフト法」って出てきたんだけどおすすめ?そんな疑問にお答えします。
数ある植毛法の中の一つ、それが「パンチグラフト法」です。植毛法の元祖とも言われ、発祥は1939年と歴史がある植毛法になります。
パンチグラフト法とは何なのか?メリット・デメリットについて解説します。最後に、パンチグラフト法より優れている「FUE法」をご紹介します。
この記事の目次
パンチグラフト法とは?
最初にパンチグラフト法とは何なのか?どういった植毛法なのかをご説明します。
植毛は髪を採取する際に、皮膚ごと切り取って移植するのか、毛根をくりぬいて移植するのかの大きく2つに分けられます。パンチグラフト法は後者のほうで毛根をくりぬいて移植する植毛法になります。
パンチグラフト法で植毛を行う場合は、まず髪を採取する際に直径4~5mm程度の特殊な円筒型のパンチやメスを使い、一度に20~30本の毛髪を毛根ごとくり抜いていきます。
くりぬかれた毛根はサイズ別に20~30本単位の束に切り分けられます。
その後切り分けた髪束をパンチやメスで作った毛穴に移植を行うといった流れです。
パンチグラフト法のメリット・デメリット
パンチグラフト法は1939年に誕生してから70年以上経過している植毛方法です。現代の植毛治療においてパンチグラフト法を選択するメリットはほとんどありません。メリット以上にデメリットが多く、現在はほとんど使われない植毛方法になります。ここではその理由をメリット・デメリットを分けて解説し、最後にその理由をご説明します。
メリットその1、髪の生着率が高い
毛根ごと移植するので、髪の定着率が高いです。熟練の医師が施術すればその定着率は90%以上といわれています。
メリットその2、手術が簡単で短時間で済む
毛根を一つずつではなくまとめてくりぬいていくので、手術自体が簡単で短時間で済みます。つまり精神的な負担が少ないということです。
デメリットその1、髪の密度が低くなる
髪の束が直径3~4mmと大きいため、他の植毛部位同士が離れてしまい、隙間(地肌)が目立ちやすくなります。
デメリットその2、不自然な仕上がり
10本以上をまとめて採取・移植するので毛髪一本一本の方向や角度に微調整が利きにくくなります。そうなると結果として毛の流れに沿わない不自然な見た目になりやすいです。
デメリットその3、採取部の傷が目立ちやすい
これも同じ理由にはなりますが、まとめてくりぬいていく以上採取した部分の傷跡が目立ちやすいです。手術後しばらくは隠していく必要があります。
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